若年層の年金について

俺自身20代の学生だから、参政権は持ってる。投票にも行ったし、そうじゃないと政治の批判とかできないと思うんだ。
いきなり横道にそれかけたが、権利が増えるということは義務も増えるってことで。俺も年金を払わなきゃいけない年齢に到達している。
我が家の場合は在学中の延期手続きを取らないで、既に支払い始めてる(両親の相談の結果。自分で払いたいから延期手続きを、という意見は却下された)のだけど、将来までずっと払い続けられるかはわからないよね。てか、いまの状況だと義務じゃなきゃ払ってねえよ……というのが趣旨。


最近、20代だと2000万くらい損する!ってまとめ系記事が出回ってたんだけど、小数の若者が多数の老人を支えることになる世代では、損すること自体は仕方ないと思う。
ただ、減るスピードが速すぎ。無駄遣いで減った財源とかこっちに負担させんなって愚痴りたくなるくらいじゃないか。言っても金はわいてこないけどさ。




要は団塊の世代はまだプラスなのに、失われた10年とか言われた世代の”産まれた時から損してる感”が納得いかないだけなのかも知れないけど、公平を期すためにはどうしたらいいのか?と考えてみる。
選択肢をいくつか上げて、絞り込んでみようじゃあないか。


1)上の世代に支払う分を減らす
2)国庫からの補填を増やす
3)老齢年金の義務をなくす
4)移民や出生率を上げる政策で若年層自体を増やす


ぱっと出てくる対策なんてせいぜいこんなもんなので、少しこの4つについて考えてみる。
まず、1と2は実現不可能だろう。1は上の世代が納得いかないだろうし、いまの政治勢力だと上の世代の方が有利だし。2は震災の復興にも金回さなきゃならん上に、赤字運営の国庫じゃ無理でしょ。



いきなり半分になった。世知辛い………

嘆いても仕方ないので、思考を進める。
3をやるとしたら、まずは国民年金障害年金、遺族年金、老齢年金……などに分解する必要があるだろう。その上で、老齢年金のみを義務から外すか廃止する。
そうなると、なぜ他の年金に義務を残すかという話になるわな。これについては俺の身の上話みたいになってしまうのだけど、母方の祖母は遺族年金とか労災保険関係で結構もらってて、母が障害者に関わることをしてるから、一般的な人よりもそういうことを見てきたからというほかない。


俺の祖父は、母が大学在学中に出張帰りの交通事故で亡くなったので、遺影しか見たことがない。その状況でも4年制の大学を母は卒業した。
もちろんバイトをしたり節約したりはしていたし、授業料免除なども適用されたそうだ。
しかし、大黒柱が居なくなったのだから、生活自体が大変だったことは想像に難くない。そんなの、遺族年金がなかったらどうなったかわからん。廃止なんて言えるか!ってわけだ。


次、障害年金
視覚障害聴覚障害も、その他の身体的、精神的障害も大人になってから発生することは存外多い。
事故などもそうだが、大人になってから40℃の熱などを出したあと、耳が聞こえなくなったり障害が残ることはある。医学的な理由は知らないが、そういうことがあるのは事実だ。
母がそういう人たちに関わってるのもそうだし、大叔父が聴覚障害だからそういう人たちの生活も垣間見えるのだけど。
一番困るのは、働ける能力があるのに働けないことだ。雇ってもらえない、といった方が正しい。
例えば自分が社長だったとして、障害者を雇いたいだろうか?大多数の人が二の足を踏むと思う。そして適当な理由をつけて断る。例えば工場なら「危険があった時、大声で注意しても伝わらない」といった感じだ。
健常者より金のかかる場面が多い、障害者の貴重な収入源を奪えるか!といったことで却下。


でも、そうなると「老後の蓄えじゃ足りないのに生活できないじゃないか!」とかそう言った意見が出てくるだろうし、そっちにも耳を貸さなければなるまい。
そうなると……あれ?自動的に老齢年金も廃止できなくなってしまったぞ。これは参った。



1〜3の案は却下されてしまったので、自動的に4を取るしかなくなってしまった。いきなりひとつに絞り込まれてしまった上に無難すぎるので、既に投げやりモードだが一応最後まで。

移民は乗っ取りの可能性(カナダの都市で中華系に乗っ取られかけているところがあるというニュースを見た)があるから棚上げしとくとしても、出生率の増加は年金問題以外でも重要なことだ。このまま低下し続けたら、国の形自体が維持できなくなるし。
この場合は王道だし、実現しやすいだろ……ということで対策。


まずはこども年金とか言うばらまきを即廃止して、公立幼稚園や保育園の増設。
さらに有休や育児休暇、出産休暇などを取りやすくして子供を育てながら働きやすい環境にするってのを国を挙げて取り組む。
あとは国から働きかけて大企業への託児所の設置を奨励するとか、ライフ・ワークバランスを重視するとか、ワークシェアリングで育児中の親を出来るだけ定時で帰ることが出来るようにするとか……


ああ、王道だけあっていっぱい出来ることがあるじゃないか。そろそろ真面目に取り組まないと、人口が国家の存続に関わる勢いで減っちゃうし、ちょうどいい頃合いじゃないの。




というわけで、年金対策は凄く無難な結末に終わってしまった。個人的には3の過激路線で進めてみたかったが、落ち着くところに落ち着いてしまったので仕方があるまい。


ここまで考えてみて思ったけれど、多分年金に憤慨している層は俺たちの子の世代孫の世代とどんどん損をしていって、消費が落ち込み、人口が流出しさらに人口が減り、最終的に国が無くなることを無意識に危惧しているんじゃないかと思った。
人間という生き物はきっと、次代の礎になるのならば多少の損害には目を潰れるんだ。だから、親が子を自分が死んでも守ったりする映画はいつまで経っても、俺たちの心を打つのだろう。


今回は「政治家の皆さん、いつか死ぬ老人に媚売ってばっかじゃなく、そろそろ次代を見据えた政策も考えませんか?」と過激な言葉を贈ることで若干の憂さを晴らし、〆としたい。
これを読んだそれぞれの世代は、ある若年層のこんな考えを一体どう思うのだろうか。